PoCを終え、本導入まで進んだAIツール。導入直後は使われていても、数か月後には一部の担当者しか使っていない、入力が面倒で元の方法に戻っている、といった状態になることがあります。AI導入は、本導入した時点がゴールではなく、運用しながら調整を続ける前提で考える必要があります。

この記事では、AI導入後に起こりやすい停滞のパターンと、運用改善として確認しておきたい視点を整理します。

AI導入後に起こりやすい停滞

本導入後、次のような状態になることがあります。

これらは珍しいことではなく、新しい業務の進め方が定着するまでの過程でよく起こります。問題は、停滞に気づかないまま時間が過ぎてしまうことです。

運用改善で確認したい5つの視点

1. 利用状況を把握できているか

誰が、どの業務で、どのくらいの頻度で使っているかを把握します。利用ログが取れる仕組みであれば数値で確認し、難しい場合は担当者への簡単なヒアリングでも構いません。利用が減っている場合、その理由を推測だけで決めつけないことが重要です。

2. 現場の負担が増えていないか

AIを使うために入力する手間や、結果を確認する作業が、想定より負担になっていないかを確認します。導入前の作業時間と比べて、本当に負担が減っているかを担当者の感覚だけでなく、具体的な作業内容で確認します。

3. 出力結果への対応ルールが機能しているか

AIの出力に誤りがあったとき、誰が、どのように確認し、修正するかのルールが実際に運用されているかを確認します。ルールを決めただけで、現場に浸透していないケースは少なくありません。

4. 対象業務の範囲が適切か

導入当初に決めた対象業務が、業務量や内容の変化に合っていない場合があります。対象を広げすぎて確認が追いつかなくなっていないか、逆に対象が狭すぎて効果が実感しにくくなっていないかを確認します。

5. 振り返る機会が設けられているか

導入後の効果や課題を話し合う機会が、定例的に設けられているかを確認します。問題が起きてから話し合うのではなく、一定の周期で状況を確認する流れがあると、小さな問題のうちに対応しやすくなります。

運用改善の進め方

手順1:現状の利用状況を確認する

利用頻度、対象業務、担当者の声を集めます。良い点だけでなく、使いにくい点や止めてしまった理由も含めて確認します。

手順2:問題を「仕組み」か「使い方」かで分ける

出力精度やシステムの制約による問題か、入力方法や確認ルールなど運用面の問題かを分けます。運用面の問題は、仕組みを作り直さなくても改善できる場合があります。

手順3:小さな変更から試す

対象業務を一部絞り直す、入力項目を減らす、確認の担当者を明確にするなど、小さな変更から試します。一度に多くを変更すると、何が効果につながったのか分かりにくくなります。

手順4:効果を測る指標を決めておく

作業時間、確認にかかる手間、利用頻度など、改善前後で比較できる指標を事前に決めておきます。効果の測り方については、AI導入の費用対効果を計算する方法もあわせてご覧ください。

手順5:定期的に見直す周期を決める

一度の見直しで終わらせず、一定の周期で利用状況を確認する流れを社内に残します。担当者が異動しても引き継げるよう、確認項目を簡単な記録として残しておくと役立ちます。

運用が定着しない根本的な原因

運用改善を進めても状況が変わらない場合、次のような根本的な原因が隠れていることがあります。

このような場合は、運用面の調整だけでなく、AI導入で失敗しやすい中小企業の共通点と対策や、導入初期の進め方を扱った中小企業がAIを導入する方法に立ち返り、対象業務の選び方から見直すことも検討してください。小規模な見直しであれば、AI導入のPoCを小さく始める方法で紹介している考え方を、運用改善の試行にも応用できます。

運用改善を社内だけで進めるのが難しい場合

利用状況の把握や原因の切り分けは、日々の業務と並行して進めるのが難しい場合があります。第三者の視点を入れることで、現場からは見えにくい原因に気づけることもあります。

Domani Luceの中小企業向けAI導入支援では、業務ヒアリングからPoC、本導入だけでなく、導入後の運用・改善まで含めて伴走します。現状の業務課題を整理したい場合は、AI業務診断もあわせてご利用いただけます。

30分の無料相談で確認できること

「導入したAIがあまり使われていない」「効果が出ているのか分からない」という段階でも相談できます。30分の無料相談では、現在の利用状況と業務の流れを伺い、改善できそうな点を整理します。

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よくある質問

AI導入後、どのくらいの期間で運用を見直すべきですか?
決まった周期はありませんが、本導入から1〜3か月を目安に、利用状況や現場の声を一度確認すると、問題を早い段階で把握しやすくなります。
使われなくなったAIツールは、作り直すしかありませんか?
必ずしも作り直す必要はありません。対象業務を絞り直す、入力の手間を減らす、確認の流れを調整するなど、小さな見直しで利用が戻る場合もあります。
運用改善は誰が担当すればよいですか?
情報システム部門だけでなく、実際にツールを使う現場の担当者を交えて確認することをおすすめします。使われない理由は、現場の運用の中に見つかることが多いためです。

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