見積書、請求書、納品書、報告書。中小企業では、こうした定型書類を毎日のようにExcelやWordで作成し、PDFに変換して取引先へ送るという作業が積み重なっています。1件あたりの作業時間は短くても、案件数が多い会社ほど、書類作成が担当者の時間を圧迫しやすい業務です。

定型書類の作成は、「様式が決まっている」「入力する項目が決まっている」という条件がそろっていれば、自動化を検討しやすい業務のひとつです。ただし、取引先に配布する書類であるため、内容の正確さと体裁の崩れがないかの確認が特に重要になります。

定型書類・PDF作成で時間がかかりやすい作業

書類作成では、次のような作業に時間がかかりがちです。

これらは1つずつは単純な作業ですが、案件数が多い、担当者によって入力方法が違う、書類の種類が複数あるといった状況が重なると、確認や手直しに想定以上の時間がかかるようになります。

自動化を検討しやすい書類の条件

すべての書類が自動化に向いているわけではありません。次のような条件がそろっている書類から検討すると、無理なく始められます。

様式が固定されている

見積書や請求書のように、項目の並びやレイアウトがあらかじめ決まっている書類は、入力する値を差し込む形で自動化しやすい書類です。案件ごとにレイアウトを変えている書類は、まず様式を統一するところから検討が必要です。

入力元のデータが整理されている

案件情報や金額、数量などの元データが、Excelや基幹システムなど、参照しやすい場所にまとまっている場合は、そこから書類のテンプレートへ差し込む流れを作りやすくなります。元データが担当者の頭の中やメールのやり取りにしか存在しない場合は、先にデータをまとめる工程が必要です。

発行件数が多い

月に数件程度であれば、手作業でも大きな負担にはなりません。一方で、日次・週次で発行する書類や、複数の担当者が同じ様式を使っている場合は、自動化による負担軽減の効果を目安として見込みやすくなります。

定型書類作成を自動化する進め方

1. 対象の書類と発生頻度を洗い出す

どの書類を、誰が、どのくらいの頻度で作成しているかを一覧にします。複数の書類がある場合は、発行件数が多いもの、様式が統一されているものから優先順位をつけます。

2. 入力項目と元データの場所を整理する

書類に入力している項目(宛名、日付、金額、品目など)と、それぞれの値がどこから来ているか(Excel、基幹システム、担当者の入力など)を整理します。この段階で、項目名の表記ゆれや、手入力に頼っている箇所が見つかることもあります。

3. テンプレートへの差し込みとPDF出力を試す

既存のExcelやWordのテンプレートに、整理した元データを差し込み、PDFとして出力する流れを小さく試します。最初から全種類の書類を対象にせず、発行件数の多い1〜2種類から検証すると、問題点を見つけやすくなります。

4. 確認工程と保存・送付ルールを決める

自動生成した書類は、送付前に人が内容を確認する工程を残すことをおすすめします。あわせて、ファイル名の付け方や保存場所、送付方法のルールも、自動化後の運用に合わせて見直します。

導入時に気をつけたいポイント

まとめ

定型書類やPDF作成の自動化は、様式が決まっていて発行件数が多い書類から検討すると、着手しやすい領域です。ただし、取引先へ送付する書類であるため、自動化後も内容確認の工程を残し、例外的な書類には無理に対応させないという線引きが重要になります。まずは対象書類と入力項目の洗い出しから始めることをおすすめします。

Excel・事務作業全体の自動化についてはExcel・事務作業自動化支援で対象業務を紹介しています。Excelの転記作業から検討したい場合はExcelの転記作業を自動化する方法もあわせてご覧ください。

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よくある質問

書類のフォーマットは変えずに自動化できますか?
はい。既存の見積書や請求書のフォーマットをそのまま使い、Excelやテンプレートへの差し込み部分だけを自動化する方法があります。取引先に配布している様式を作り直す必要はありません。
PDF化まで含めて自動化できますか?
テンプレートへの入力とPDF出力までを一連の流れとして自動化することは可能です。ただし、最終的な内容の確認は人が行う工程として残すことをおすすめします。

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