業界別AI / 公開 2026/9/15
コールセンターの後処理を自動化する方法|要約・記録・分類の負担を減らす
通話後の要約作成、対応履歴の記録、分類作業といった後処理業務をAIで自動化する考え方と、導入前に整理しておきたいポイントを解説します。
コールセンターの後処理(アフターコールワーク)は、通話が終わったあとに発生する要約作成、対応履歴の入力、問い合わせ内容の分類といった事務作業です。1件あたりは数分でも、日々の対応件数が積み重なると、オペレーターの時間を大きく使う業務になります。
後処理は顧客と直接やり取りする業務ではないため、コールセンターへのAI活用のなかでも比較的着手しやすい領域です。ただし、記録の正確さが業務の質に直結するため、どこまで自動化し、どこを人が確認するかを事前に整理しておく必要があります。
コールセンターの後処理とは
後処理には、主に次のような作業が含まれます。
- 通話内容の要約をシステムへ入力する
- 問い合わせ種別やカテゴリを選択・入力する
- 対応結果や次のアクション(折り返し予定、担当部署への引き継ぎなど)を記録する
- クレームや特殊対応の場合に、詳細な経緯を文章で残す
- 対応記録をもとに、日次・週次の報告用データを整える
これらの作業は、通話が終わってからシステムへ手入力する形で行われていることが多く、オペレーターの負担になりやすい一方、記録の抜け漏れや表現のばらつきも起こりやすい業務です。
後処理が自動化に向いている理由
顧客対応への影響が小さい
後処理は通話終了後に行う社内向けの作業のため、自動化を試す際に顧客への影響が直接出にくいという特徴があります。回答の自動化と比べて、段階的に試しやすい領域です。
入力項目がある程度定型化されている
問い合わせ種別、対応結果、次のアクションなど、記録すべき項目があらかじめ決まっている場合が多く、AIが下書きを作成しやすい構造です。
通話記録という元データがある
通話の録音やリアルタイム文字起こしのデータがあれば、それをもとに要約や分類の下書きを作成できます。元データがない場合は、まず何を記録に残すかを整理するところから始めることになります。
後処理自動化の進め方
手順1:現在の後処理フローを書き出す
通話終了後、オペレーターが何を見て、どこへ、どのような内容を入力しているかを具体的に書き出します。システムの入力項目、必須項目、任意項目も合わせて確認します。
手順2:要約作成の下書きから始める
いきなりすべての項目を自動化するのではなく、まずは通話内容の要約文の下書き作成から試すと、影響範囲を抑えながら効果を確認しやすくなります。オペレーターは下書きを確認し、必要に応じて修正してから確定する運用にします。
手順3:分類・カテゴリ入力を試す
要約作成が安定してきたら、問い合わせ種別やカテゴリの候補提示など、選択作業の補助へ対象を広げます。候補が誤っている場合にオペレーターが修正できる設計にしておくことが重要です。
手順4:品質を確認しながら対象範囲を広げる
一部のオペレーターや一部の問い合わせ種別で試し、要約の精度や記録の抜け漏れがないかを確認したうえで、対象範囲を広げていきます。
導入前に確認しておきたいこと
- 現在、後処理にどれくらいの時間がかかっているか(件数×1件あたりの時間)
- 記録すべき項目が、担当者によってばらついていないか
- クレームや特殊対応など、特に慎重な記録が必要な対応があるか
- 通話の録音や文字起こしデータが、どのように保存・管理されているか
- 自動生成した記録を、誰がどのタイミングで確認するか
これらが曖昧なまま自動化を進めると、かえって確認作業が増えてしまうことがあります。現在の記録ルールを整理してから対象範囲を決めることが、無理のない導入につながります。
通話中の対応とあわせて検討する
後処理の自動化は、通話中のオペレーター支援と合わせて設計すると効果が見えやすくなります。通話前・通話中・通話後・管理者という4つの場面全体での検討方法は、コールセンターにAIを導入する方法で紹介しています。電話対応そのものの自動化範囲については、電話対応はAIでどこまで自動化できる?もあわせてご覧ください。
自社の後処理業務のどこから着手できるかは、コールセンターAI活用支援で整理しています。コールセンター全体でのAI活用の考え方はコールセンターAI導入ガイドもご参照ください。
30分の無料相談で確認できること
「後処理に時間がかかっているが、何から自動化すればよいか分からない」という段階でも相談できます。30分の無料相談では、現在の後処理の流れと所要時間を伺い、自動化を検討できそうな部分と先に整理すべきことを整理します。
よくある質問
- 後処理の自動化はオペレーターの評価に影響しますか?
- AIが作成するのは下書きであり、最終的な内容はオペレーターが確認・修正します。記録の質を担保する責任は引き続き人が持つ前提で設計します。
- 通話内容の要約はどこまで自動化できますか?
- 定型的な項目(問い合わせ種別、対応結果、次のアクションなど)の下書き作成は自動化しやすい一方、微妙なニュアンスの判断は人の確認が必要です。まずは下書き作成から始め、精度を見ながら任せる範囲を調整します。