FAQページを用意していても、問い合わせ件数が減らない、同じような質問が電話やチャットに寄せられ続けるという状態は少なくありません。FAQの内容が実際の問い合わせとずれている、載っているはずの情報が見つけにくい、といった原因が考えられますが、どこがずれているかを人の手で洗い出すには時間がかかります。

AIを使うと、通話の要約やチャット・メールの問い合わせ記録といった既存のデータから、FAQに不足している質問や、見直しが必要な回答を見つけやすくなります。この記事では、FAQ改善にAIをどう活用できるか、進め方と注意点を整理します。

なぜFAQが見直されないまま古くなるか

多くの現場では、FAQは作成した時点では実態に合っていても、次のような理由で徐々にずれていきます。

FAQ自体に問題がなくても、見直す仕組みがないままでは、実際の問い合わせとのずれが広がっていきます。

FAQ改善でAIが役立つ場面

1. 問い合わせ内容からFAQの不足を見つける

通話の要約やチャットログを一定期間分集めると、FAQに載っていない質問や、繰り返し寄せられている質問が見えてきます。AIを使うと、大量の問い合わせ内容からテーマごとに傾向を拾い出す作業の負担を減らせます。

2. よく聞かれるが載っていない質問を洗い出す

既存のFAQと実際の問い合わせ内容を比較し、FAQに該当項目がない質問を抽出します。担当者が1件ずつ見比べるのは時間がかかりますが、AIが候補を提示することで、確認する範囲を絞れます。

3. 回答の下書き作成

新しく追加すべき質問が見つかったら、過去の対応内容や通話記録をもとに、AIが回答の下書きを作成します。下書きはそのまま公開するのではなく、担当者が内容の正確さを確認してから反映します。

4. 既存FAQの重複・古さチェック

似た内容の質問が複数のFAQ項目に分かれている、古い制度やサービスについての回答が残っている、といった状態をAIが洗い出す補助に使えます。最終的にどちらを残すか、どう統合するかは担当者が判断します。

FAQ改善に使えるデータ

通話の要約・文字起こしデータ

通話の要約や文字起こしがあれば、実際にどのような言葉で質問されているかを確認できます。FAQの質問文を利用者の言葉に近づける際の参考にもなります。文字起こしの活用方法は音声文字起こしを業務で使う方法で解説しています。

チャット・メールの問い合わせ記録

チャットやメールでの問い合わせは、テキストとしてすでに残っているため、通話記録よりも扱いやすいデータになることが多くあります。

FAQ閲覧ログ(あれば)

FAQページにアクセスログがある場合、よく見られているページや、検索されているが該当ページがないキーワードも参考になります。ログがない場合は、問い合わせ内容からの分析を優先します。

FAQ改善を進める手順

手順1:一定期間の問い合わせ内容を集める

まずは1〜3か月程度など、一定期間分の通話要約やチャット記録を集めます。期間が短すぎると、季節的な傾向や一時的な問い合わせが混ざり、判断を誤る可能性があります。

手順2:FAQに載っていない質問を洗い出す

集めた問い合わせ内容と既存のFAQを比較し、該当項目がない質問、または回答がずれている質問を抽出します。すべてを一度に対応するのではなく、頻度が高いものから優先順位をつけます。

手順3:下書きを作成し、担当者が確認する

優先順位が高い項目について、AIで回答の下書きを作成し、担当者が内容の正確さと表現を確認します。確認が済んだものから順にFAQへ反映します。

手順4:公開後の問い合わせ傾向を再確認する

FAQを更新した後、同じ内容の問い合わせが減っているかを確認します。減っていない場合は、回答の内容ではなく、FAQの見つけやすさ自体に問題がある可能性も考えられます。

改善を続けるための運用

FAQ改善は一度行えば終わるものではなく、問い合わせ傾向の変化に合わせて継続的に見直す必要があります。誰が、どのくらいの頻度で問い合わせ内容を確認し、FAQへ反映するかという運用ルールを、改善の最初の段階で決めておくことが重要です。

コールセンター全体でのAI活用を検討する場合は、通話後の要約や記録作成を自動化するコールセンターの後処理を自動化する方法や、品質管理での活用を整理したコールセンターの品質管理にAIをどう使うかもあわせてご覧ください。通話前・通話中・通話後・管理者という4つの場面全体の考え方はコールセンターにAIを導入する方法で紹介しています。

社内向けFAQとの違いに注意

この記事で扱っているのは、顧客からの問い合わせに答える窓口・コールセンター向けのFAQです。社員が社内の手順やルールを調べるためのFAQを整える場合は、確認すべき観点が一部異なります。社内向けFAQの整え方は社内FAQをAIで整える方法で詳しく解説しています。

まとめ

FAQ改善は、FAQの文章をAIに自由に書かせることではなく、問い合わせ傾向からFAQの不足や古さを見つけ、回答の下書き作成を支援することが中心になります。どのデータを根拠にするか、下書きを誰が確認するか、改善後にどう効果を確認するかを決めておくことで、無理のない範囲でFAQ改善を続けられます。

自社の問い合わせ内容からどこまで整理できそうかは、Domani LuceのコールセンターAI活用支援で確認できます。導入の進め方全体はコールセンターAI導入ガイドもご参照ください。

30分の無料相談で確認できること

「FAQがあるのに同じ問い合わせが減らない」という段階でも相談できます。30分の無料相談では、現在のFAQの内容と、よく寄せられる問い合わせの傾向を伺い、改善を検討できそうな範囲を一緒に整理します。

コールセンターAI活用の無料相談を申し込む

よくある質問

FAQ改善は、FAQの内容をAIにすべて書かせるということですか?
いいえ。AIが担うのは、問い合わせ傾向からFAQの不足や古い内容を見つけることと、回答の下書き作成です。公開する内容として適切かどうかは、担当者が確認してから反映します。
問い合わせ件数が少ないコールセンターでも使えますか?
件数が少ない場合でも、一定期間分の問い合わせ内容を集めれば傾向を確認できます。ただし件数が少ないほど、傾向として扱うか個別の例外として扱うかの判断が難しくなるため、期間を長めに取ることをおすすめします。
社内向けのFAQを整える方法とは何が違いますか?
この記事で扱うFAQは、顧客からの問い合わせに答える窓口・コールセンター向けのFAQです。社員が社内の手順を調べるためのFAQを整える考え方は別の記事で解説しています。

自社の業務について相談する

相談内容が決まっていない段階でもご利用いただけます。

お問い合わせへAI業務診断を試す